社長挨拶

 
当社は、昭和47年(1972年)の創業以来、「技術力で地域
社会の発展に貢献する」を企業理念に掲げ、総合建設コンサルタ
ントとして公共工事の計画・設計・調査・測量を行ってまいりま
した。

 建設業界においては、「国土強靭化法」の制定や、社会インフラ
の維持管理の必要性などから、我々コンサルタントの役割が大きく
変化しております。

 我社は、このようなニーズの変化に対応すべく技術研鑽、向上に努
め、市民、国民の安全、安心を確保し、地域社会の発展に貢献するた
めに取り組んでまいります。

 今後とも皆様からの温かいご指導、ご鞭撻を賜りますようよろしく
お願いいたします。


                       平成26年 9月

 
2024年07月
7月になり1年の半分が過ぎた。
6月17日に気象台より九州北部が梅雨入りしたとみられると発表があった。昨年と比べると19日遅い梅雨入りの発表である。これから一か月程度は、雨が降り易く、大雨に対する警戒が必要である。梅雨期は大雨による災害が発生しやすい時期で、また、梅雨明け後の盛夏期に必要な農業用の水等を蓄える重要な時期でもある。一方、梅雨期は曇りや雨の日が多くなって、日々の生活等にも様々な影響を与えることから、社会的にも関心の高い事柄であり、気象庁ではこれまでの天気と1週間先までの見通しをもとに、梅雨の入り明けの速報を発表している。梅雨は春から盛夏への季節が移り替わる時期に雨や曇りの日が多くあらわれる季節現象で、停滞前線(梅雨前線)が、南北に移動しながらゆっくり北上する。梅雨前線が四国付近で停滞して活発化すると、大雨で災害が発生する反面、夏期の渇水に対しては恵みの雨でもある。今年は、ラニーニャ現象が起こる可能性があると言われており、日本では「夏はより暑く、冬はより寒い」という極端な天候になりやすいことが特徴だ。ラニーニャ現象が発生すると、夏は熱中症のリスクが高まり、冬は大雪や低温による交通障害や雪崩などのリスクが高まる。また、農作物の不作や経済状況の悪化などの可能性が考えられる。大雨による災害と熱中症への対策をしっかりと備えていただきたい。

少子化の影響で、どこの業界も人手不足となっている。我々、建設業界も例外でなく危機的な状況となっている。担い手不足が叫ばれて久しいが、打つ手がない状況である。(公社)土木学会や(一社)建設コンサルタンツ協会の機関誌の6月号で「土木の魅力発信」を特集している。そのなかで、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYOMX)が放送している「ももいろインフラーZ」を紹介していた。国民的アイドルの“ももいろクローバーZ”が京都大学大学院の藤井聡教授とインフラを学ぶバラエティー番組で、YouTubeでも視聴できる。土木、インフラの重要性を楽しく、土木関係者だけでなく一般の人々に分かり易く伝える番組で、楽しめるものとなっている。

博多の街に夏を告げる『博多祇園山笠』が始まった。今年は、7月15日のフィナーレ「追い山」が休日と重なり、多くの方が訪れるものと思われる。7月15日午前4時59分大太鼓の合図とともに、1番山から「櫛田入り」を行う。博多総鎮守の櫛田神社への「櫛田入り」は勇壮であり、迫力ある山の奉納が見ものである。1番山は、「櫛田入り」の際、山笠を止めて「博多祝い唄」を歌うことが認められている。その後、境内を出て博多部に設けられた約5kmの「追い山コース」を須崎町の廻り止めを目指して懸命に舁く。櫛田神社の能舞台では午前6時から荒ぶる神様に捧げる「鎮めの能」が演じられる。
博多の街は、山が終わると本格的な夏が訪れる。

夏本番を前に、梅雨末期の豪雨や湿度の上昇による熱中症、新型コロナや溶連菌による感染症など、様々なリスクが高まっている。自助、共助、公助を再確認し、自身や家族の安全を考えて準備を怠らないようにして頂きたい。
 
2024年06月
6月となり、1年の半分が過ぎようとしている。
ようやく台風1号が発生し、今年はずいぶんと遅い気がしているが、1951年の統計開始以来7番目の遅さだそうである。発生が遅れたのは、熱帯の積乱雲の活動が大きく関係しているということだ。台風が発生するのは、太平洋西部の熱帯域で、この時期は低気圧に覆われて雨雲が次々とわき、熱帯低気圧を経て台風へと成長する。今年は、雨雲ができにくくなっているためである。「エルニーニョ現象」の影響で太平洋西部の雨雲ができにくい状況が続いていた。台風の発生が遅れても、数が減るとは限らず、今後「エルニーニョ現象」が終息し、「ラニーニャ現象」が起こった場合には台風が発生しやすくなる可能性がある。気象庁では、「一般的に台風シーズンと呼ばれる時期は夏の後半から秋にかけてなのでいま台風が少ないからといって安心できる状況ではない。今年の夏は梅雨前線に流れ込む湿った空気が例年より多くなるとも予想されているため、早め早めの備えを心がけて欲しい」と呼び掛けている。
これからが梅雨本番で、梅雨末期から台風と豪雨災害への備えを十分に行って頂きたい。

気象庁は、5月28日から「線状降水帯予測情報」をこれまでの地方単位から府県単位に変更して発表することとしていたが、27日に宮崎県、鹿児島県に1日前倒しで発表した。台風1号からの暖かく湿った空気が低気圧や前線に向かって流れ込み、西日本・東日本・東北地方で局地的に大雨を降らせた。令和4年6月から線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いと予測できた場合に、半日程度前から気象情報で呼びかけていた。全国を11ブロックに分けた地域を対象としていたが、令和6年5月28日(火)9時から、府県単位を基本に対象地域を絞り込んで呼ぶ架けを行うようになっていた。線状降水帯とは次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなし数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される長さ50~100km程度、幅20~50km程度の線状に伸びる強い降水域のことで、被害をもたらす豪雨が予想される。線状降水帯が発生すると、大雨災害発生の危険度が急激に高まることがるため、心構えを一段高めていただくことを目的として線状降水帯による大雨の半日程度前からの呼びかけが行われている。この呼びかけだけで避難行動をとるのでなく、ほかの大雨に関する情報と合わせて活用することが大事である。気象庁の「キキクル(危険度分布)」や自治体の情報などをこまめにチェックし、今いる場所の危険度を把握することが重要である。

先日、18年ぶりに復活した「新プロジェクトX~挑戦者たち~」を見た。4月20日放送の「厳冬 黒四ダムに挑む~断崖絶壁の輸送作戦~」、5月11日放送の「世界最長 悲願のつり橋に挑む~明石海峡大橋40年の闘い~」。どちらも土木技術者の世界を切り取ったものであった。「新プロジェクトX」は感動ありきで作られているとの批判もあるようだが、技術者個人に目を向けることが少なくなった現在では、これも良いのかと思わされた。これからも土木技術者だけでなく、いろいろな技術者の苦労を垣間見られる番組作りを願っている。あらゆる業界が少子化の影響による担い手不足となっており、特に技術者(理系)離れが顕著に見受けられる。このような番組で子供たちに技術の楽しさ、モノづくりの楽しさを知ってもらえたら嬉しい。

これから暑さも本格化し、熱中症の恐れも増えてくる。この夏の暑さをCOOLBIZやエアコンの適切な使用で乗り切っていただきたい。
 
2024年05月
5月となり真夏日となる日がちらほら見られる。
今年の夏も暑い日が続くのかと気を揉んでいる。気象庁の3カ月予報では、暖かい空気に覆われやすく、向こう3カ月の気温は全国的に高い予想となっている。前線や湿った空気の影響を受けやすいため、降水量は西日本太平洋側と沖縄・奄美で平年並か多い予報となっている。4月も雨天が続き、梅雨の走りではないかと思われるような気候であった。
環境省では、2050年カーボンニュートラル及び2030年度削減目標の実現に向け、脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動、「デコ活」を推進している。「デコ活」の一環としてクールビズを5月1日から9月末までを集中的に実施するとのことである。「デコ活」とは、「脱炭素につながる新しい暮らしを創造する国民運動」の愛称で、二酸化炭素(CO2)を減らす(DE)脱炭素(Decarbonization)と、環境に良いエコ(Eco)を含む“デコ”と活動・生活を組み合わせた新しい言葉である。

4月17日23時14分ごろ、豊後水道沖を震源とする最大震度6弱の地震が発生した。スマートフォンの緊急地震速報がけたたましく鳴り響き、一瞬身構えたが福岡では大きな揺れを感じることが無かった。大きな揺れを観測した愛媛県、高知県、大分県などではけがをされた方が多数発生し、水道の断水などライフラインへの影響が著しかった。
先日から「首都防衛」(宮地美陽子著)を読んでいる。首都直下型地震、南海トラフ巨大地震、富士山の噴火などについて国や東京都などの自治体が公表している被害想定を基に詳しく説明されている。このような巨大地震が起こった場合の国の動きや自治体の初動体制についても述べられている。この著書では、今後予想される大災害の前に、我々はどう向き合うべきかが災害別に示されているが、これらの連動や同時発生についても書かれている。
住んでいる住居についてはある程度の関心はあるが、通勤、通学中や就業中、就学中の会社社屋、学校などは大丈夫と思い込んでいるところがある。就業中であれば、帰宅難民になることも考えられ、スマホの通話が困難となることも考えられる。このような時にどうするかが生死を分けることとなる。家族でどうするかを話しておくことも大事である。首都直下型地震、南海トラフ巨大地震はいつ起こってもおかしくない状況である。このような大震災が発生すれば、日本の存続が危ぶまれることになりかねない。最悪の状況を想定して、それぞれが何をするかを考える時期になっていると思われる。住んでいる、通勤、通学している自治体の被害想定や避難所の状況などについても確認しておくことを薦める。
「南海トラフ地震臨時情報」が気象庁から発表されたら、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をする必要がある。先日の豊後水道地震では、マグニチュードが6.8以上とならなかったので「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が開催されなかったが、注意するに十分な震度であったと考えている。
内閣府の「防災情報のページ」に詳しく解説されているので、一読していただきたい。
地震、噴火はいつ起こるかが不明である。「オオカミ少年」のようになってはいけないが、準備を怠らないようにしていただきたい。
2024年04月
桜が満開の4月となった。
近年、福岡ではこの時期にソメイヨシノの花が残っていることが無かったために、なんとなくウキウキする。卒業、進学、進級、就職と新たな一歩を踏み出される人を祝福しているようである。
気象庁の長期予報では、暖かい空気に覆われやすいため、向こう3カ月の気温は全国的に高いようである。降水量は沖縄・奄美で多く、西日本太平洋側で平年並みか多いと予想されている。地球温暖化や終息に向かうエルニーニョ現象の影響等で大気全体の温度がかなり高いと思われ、日本の南で太平洋高気圧の西への張り出しが強く、日本付近には南から暖かく湿った空気が流れ込みやすくなる見込みである。
今年は、エルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象が発生する恐れがある。「ラニーニャ現象」が発生するのは、太平洋赤道域で、貿易風と呼ばれる東風が吹いているため、通常、暖かい海水は西側のインドネシア付近に吹き寄せられる一方、東側の南米沖では、海の深い所から冷たい海水がわき上がっている。何らかの原因で東風が強まると、西側の暖かい海水が厚く堆積するとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが強まり、南米沖の海面温度が通常よりも低くなる。太平洋赤道域から認米沿岸にかけて、海面水温が平年よりも低くなり、その状態が1年程度続く現象を「ラニーニャ現象」とよぶ。ラニーニャ現象が起こると日本では、梅雨期に西日本で、夏は沖縄・奄美で雨量が増加する傾向が強いようである。
梅雨から夏にかけての豪雨災害には十分な備えが必要である。

能登地方では、震災から3カ月が過ぎ、地震の回数は当初に比べて減ってきているが、今後も強い揺れに注意が必要である。被災地では今も8000人を超える人が避難所に身を寄せているほか、奥能登地域を中心に断水が続くなど生活再建に向けた支援が課題となっている。2024年度から厚生労働省が担ってきた水道行政を国土交通省に移管し、災害対応の強化につなげ、災害復旧の補助金額増や支援強化、官民連携などを進める。すでに能登半島地震の災害復旧についても、国土交通省が支援を行っている。一日も早い断水解消を目指してほしい。

4月1日から輸送業、建設業、医師の3つの業種で、時間外労働の上限規制が始まる。長時間労働の是正が期待される一方で、労働時間の減少によって、物流や地域医療などに支障が出ると指摘されている。タクシーやトラックドライバーの就業時間の減少に伴い、物流の滞りやバス路線の廃止等、市民生活に大きな支障が出る。物流では、送料の増額など物価上昇は避けられない。我々土木業界においても、建設の現場ではどのように対処してくかを模索している状況である。土木業界の中でも、測量設計においては2019年から時間外労働の上限規制が始まっており、上限を超えないようにしている。

これからの新しい生活がより良いものとなるようにお祈りする。
 
2024年03月
3月となり、暖かい日と寒い日が入り交じり、体調不良を訴える人が増えている。また、スギ花粉による花粉症に悩まされている人も大変多くなっている。
今年は暖冬と言われ、2月の最高気温を更新した地域が多数あったようだ。世界気象機関(WMO)では2023年の世界の平均気温が観測史上最も高かったと発表している。気象庁は2023年の天候について、日本の年平均気温および日本近海の平均海面水温は、いずれも統計開始以来最も高い値となったと発表している。2023年は世界各地で異常高温が発生したほか、熱波や干ばつ、大規模な洪水、山火事が多発した。異常気象の原因として考えられているのが、数年に一度発生するエルニーニョやラニーニャ現象に加えて、地球温暖化ではないかと言われている。2023年から2024年にかけての冬は、エルニーニョの中でも規模の大きなスーパーエルニーニョ現象の影響で記録的な暖冬となっている。エルニーニョ現象に起因する世界気温へのインパクトは、通常エルニーニョ現象の開始から約1年後に現れると言われており、今年の夏は昨年以上に環境への影響が大きくなる恐れがある。国連事務総長のアントニオ・グテーレスは「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化(global boiling)
の時代が来た」と警鐘を鳴らしている。熱中症や農作物の被害など、直接的な被害だけでなく、激甚化する豪雨災害や台風に対する注意も必要である。出来ることは今からでも備えておく必要がある。

女の子の健やかな成長や健康、幸福を願い、3月3日に行われる行事がひな祭りだ。3月3日は「上巳(じょうし)の節句」と呼ばれ、節句の中でも重要な「五節句」の一つである。五節句は、1月7日の人日(じんじつ)、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽(ちょうよう)がある。古代中国では、奇数の重なる日は縁起が悪いとして、上巳の節句に合わせて川で身を清める儀式が行われていた。この風習が日本に伝わり、人形(ひとがた)にけがれを移して水に流す「流しびな」という行事になり、現在のひな祭りに変わったそうである。子供の健やかな成長を願う行事として、残していきたい行事である。
福岡県柳川市では、「さげもん」と言う「つるし雛」が有名で、4月3日まで「柳川雛祭り“さげもんめぐり”」が開催されている。さげもんとは、縁起の良い鶴やウサギ、ひよこ、這い人形などの布細工と「柳川まり」を組み合わせて「幸福」「健康」などの願いが込められたものだ。「さげもんめぐり」では、「おひな様始際」「柳川きもの日和」「おひな様水上パレード」などの催しものが楽しめる。

令和6年能登半島地震から2カ月となり、被害の全容が見えてきた。2月末現在、被災家屋7万5661棟、断水1万9千戸、避難者数1万1447人など、市民生活に大きな支障を与えている。我々土木技術者は、災害があると早期復旧に向けた道路啓開や災害査定のための測量、設計を行う。能登地域の建設会社、測量設計会社が懸命な努力で復旧・復興に向けた日々を送られていることに敬意を表すとともに、少しでも後押しができればと考えている。能登地域を含めた北陸地域の一日も早い復旧・復興を願っている。

 
 
2024年02月
2月となり、能登半島地震から1カ月が過ぎている。インフラ復旧にはもう少し時間がかかりそうである。被災者の方々にお見舞いを申し上げます。

2月3日は節分、2月4日は立春と春が近づいている。節分は、無病息災を願って豆をまく日本古来の厄除け行事である。太宰府天満宮では、節分の日に御本殿(今年は仮本殿)にて「節分厄除祈願大祭」が行われ、その後「豆まき神事」が執り行われる。豆まきは、災厄を鬼に見立て、豆で打って追い払うという習わしである。太宰府には天神様がこよなく愛された梅の木の下で「ひょうたん酒」を飲むと厄除けになると言われ、大祭期間中(1月26日~2月末日)に厄除祈願を受けると「飛梅」の下で「ひょうたん酒」が受けられます。
「光の道」「日本一の大注連縄」で知られている宮地嶽神社では、1月26日、27日、2月2日、3日に節分祭が行われる。豆まき神事は室町時代頃から行われており、現在も大切な季節の行事となっている。宮地嶽神社では「福を招く豆まき神事」として、約年の方や年男、年女が裃(かみしも)を身に着け、「福はうち」と福豆(福くじ入り)をまきます。福くじは、電化製品や北海道旅行などの豪華景品が当たるそうである。
福岡市早良区高取にある紅葉八幡宮でも「節分厄よけ大祭(豆まき)」が2月3日に開催される。黒田藩(福岡藩)藩主の厄年祈祷は、紅葉八幡宮・筥崎宮・太宰府天満宮にて執り行われていた。
厄年は体力的・環境的に転機を迎える年とされ、病気、怪我、事故等の禍が起こりやすい年と言い伝えられている。豆まき神事の多くは災厄を祓う神事である。節分の日の夕方は、家々から「鬼は外、福は内」と聞こえていたものだが、最近はあまり聞かなくなった。
豆まきよりも恵方巻きの方が節分の主流になってきているようである。

2023年から2024年の冬は暖冬になると言われていて、その原因はエルニーニョ現象にある。エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象と気象庁の公式サイトで解説されている。2023年8月~10月にかけて平年よりも2.2℃高く、スーパーエルニーニョが発生していると言われている。エルニーニョ現象が起きると大気の流れや風の向きが変わり気候に影響を与える。それにより日本は暖冬になることが多いと言われている。主な理由として、エルニーニョ現象で西高東低の気圧配置が弱まり、気温が高くなる傾向にあるようである。
暖冬は寒暖差による体調不良が懸念される。1日の気温差が10℃以上になることも珍しくなく、寒暖差アレルギーにも注意が必要だ。昼間暖かくても夜に冷えこむことが多く、服装の調節が重要となる。
エルニーニョ現象は、春の終わりにかけて続く可能性が高く、暖かい春になりそうであるが、突然の大雪も予想される。

まだまだ寒い日が続くが、体調管理に気を付けて2月を乗り切ってもらいたい。
 
 
 
2024年01月
新年あけましておめでとうございます。2024年、令和6年が始まりました。

令和6年1月1日 午後4時10分頃石川県能登地方を震源とする最大震度7 マグニチュード7.6の大変大きな地震が発生した。日本海側には、大津波警報、津波警報、津波注意報が発令され、能登半島で1.2m以上の津波が押し寄せた。石川県輪島では、地震による火災が起こり、200棟以上が焼失している。地震では、家屋の倒壊、津波、火災、地滑りと被害が拡大していく。気象庁は、今回の地震を「令和6年能登半島地震」と名付けている。大きな災害に気象庁は名前を付けるが、地震の命名は、2018年9月の「平成30年北海道胆振(いぶり)東部地震」以来のことで、大変大きな地震であったといえる。多くの方が亡くなられ、被災者、避難者が多くなっている。これから冬本番で、寒さが厳しくなると思われ、一日も早いライフラインの回復を願っている。
気象庁のホームページに「地震から身を守るために」という解説がある。突然襲ってくる地震から身を守るために、一度読んでみてほしい。

1月2日には、羽田空港で日航機と海上保安庁の飛行機が滑走路で衝突し、2機が炎上し、海保職員5名が亡くなった。事故原因はこれから究明していくと思われるが、日航機に搭乗していた379人が無事に脱出できたことは良かった。

福岡県では、1月3日夕方に北九州市JR小倉駅近くの魚町銀天街傍の鳥町食堂街で大規模火災が起こり、39の商店が焼失した。
年明け早々から、大変なことが次々に起こっている。

昨年、令和5年7月7日から10日にかけて、梅雨前線による豪雨が九州北部を襲った。福岡県、大分県、佐賀県で線状降水帯が発生し、大雨特別警報が発表され、甚大な豪雨被害が発生した。総雨量は600mmを超える大雨となり、福岡県で5人、佐賀県で3人、大分県で2人など、全国で13人の尊い命が奪われた。我々土木業界も発災直後から、被災状況の調査や復旧のための査定資料のなど、出来る限りの災害復旧支援を行い、無事に査定が終了し、今後の復旧工事に取り掛かるようである。近年、毎年のように全国どこかで水害が頻発しており、河川だけでは対応できない気象状況である。国では、「流域治水」を進めることで、流域全体で水害を防ぐ方向に進んでいる。

地震や水害などの自然災害から身を守るために、正確な情報収集とその情報をしっかりと吟味して、行動を起こすことが大事である。自分の身は自分で守る。自助、共助、公助の順で、自分と家族を守ってもらいたい。

令和6年が良い年となることを願っている。
 
2023年12月
12月となり、日増しに寒さが厳しくなり、各地の雪の便りが届いている。
今年も残すところ1ヶ月となり、あわただしい毎日を送っているものと思われる。
気象庁の長期予報では、全国的に寒気の影響が弱いため、12月の気温は高く、特に、北日本では月の初めは気温がかなり高くなると見込まれている。10月まで暑い日が続き、急に冷え込んだために寒く感じているが、平年並みか高い予報となっている。1カ月平均の地上気圧は、冬型の気圧配置が平年よりも弱く、全国的に季節風による寒気の流れ込みが弱いと見られている。東・西日本太平洋側を中心に平年に比べ低気圧や前線の影響を受けやすいと想定され、平年と同様に曇りや雨または雪の日が多くなるようである。福岡では、ほとんどの車が冬用タイヤ(スタッドレスなど)を付けてなく、少しの雪でも大渋滞が起こっている。雪の予報が出ると、ガソリンスタンドやカー用品店では、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤの購入や装着をするために多くの車が並んでいる姿を目撃する。1年でも数回しか使わない冬用タイヤのため、準備している人が少なく、装着がうまくできない方が多くいることが伺える。タイヤチェーンにも使用期限があり、金属チェーンは、およそ5年~10年と言われている摩耗が進んだら使用をやめるようにした方が良い。非金属チェーン(ゴム製や樹脂製)は約5年が使用期限とされており、劣化すると性能が悪くなったり、切れることもあり、5年以上たったものは使用しないほうが良いと思われる。一度も使わずに新しいものを買う必要があることもあるだろう。雪道には慣れてない九州の人は、雪の日には出来るだけ運転をしないようにした方が良いと思われる。

クリスマスに向けて、福岡市内のイルミネーションがきらびやかに点灯されている。博多駅前会場から始まった「福岡クリスマスマーケット」は11年目を迎える今年から「クリスマスアドベント」と呼び名を変えた。「JR博多駅前広場」、「福岡市役所西側ふれあい広場」、「天神中央公園」、「貴賓館前広場」、「福岡大名ガーデンシティ」、「大丸福岡天神店エルガーラ・パサージュ広場」の6箇所でクリスマスを彩る料理やクリスマス雑貨など、全会場で120店舗が並んでいる。子供も楽しめるが、ホットワインなどの大人も楽しめる出店が目白押しとなっている。是非立ち寄ってイルミネーション、クリスマス気分を楽しんでほしい。

今年は、例年よりも早くからインフルエンザの流行が始めっている。インフルエンザは、毎年冬季に流行を繰り返し、健康に大きな影響を与えている感染症の一つである。福岡県では、令和5年第47週(
11月20日~11月26日)に患者報告数が「41.44」となり、警報の基準値である「30」を超えた。今後、インフルエンザの本格的な流行が予想されるため、インフルエンザにかからない、うつさないためにも手洗いや適切なマスクの着用等の感染予防策、拡大防止策に努めていただきたい。  38℃以上の急な熱や全身の倦怠感などの症状が現れた場合には早めにかかりつけ医等の地域で身近な医療機関に相談をすることが求められる。インフルエンザに罹患した場合の出勤停止期間は学生に適用される学校保健法に基づき、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱後2日を経過するまで」としている企業が多いようである。インフルエンザウイルスは感染力が強く、ウイルス感染者のくしゃみによって飛び散る飛沫などによって感染する。症状が無くなっても体内にウイルスが残っているおそれもあることから、マスクの着用や咳エチケットに配慮して欲しい。
インフルエンザやコロナ、風邪などに注意して過ごしていただきたい。
 
2023年11月
早いものでアッと言う間に11月となった。今年も残り2ヶ月となり、何かとあわただしい毎日である。
11月は、東北南部から九州で最高気温25℃以上の夏日が続出し、11月としては記録的な暑さとなりそうである。11月中旬にかけて、北海道、東北、関東甲信越、沖縄地方は、10年に一度レベルの高温となる可能性がある。
気象庁から、向こう3カ月(11月~01月)の天気の見通しが発表された。これによると、寒気の影響が弱いため、向こう3カ月の気温は、北日本では平年並みか高く、東・西日本と沖縄・奄美では高いと思われ、降雪量は、北日本日本海側では平年並みか少ない予想となっている。降水量は、低気圧の影響を受けやすく、東日本太平洋側と西日本では平年か多い見込みとなっている。エルニーニョ現象と正のインド洋ダイポールモード現象により、積乱雲の発生がインド洋熱帯域の西部で多く、東部からインドネシア付近で少なく、太平洋熱帯域の日付変更線付近で多いと思われ、このため上空の偏西風は蛇行し、日本付近では平年よりも北を流れると見込まれている。アリューシャン低気圧は、北日本では一時的に影響を受けやすいことがあるものの、平年に比べ影響は小さく、冬型の気圧配置は弱いと思われる。
東・西日本と沖縄・奄美を中心に暖かい空気に覆われやすく、寒気の南下が弱く、暖かな冬となりそうである。

11月18日を「土木の日」、11月18日から24日までを「くらしと土木の週間」と呼んでいます。これは、(公社)土木学会が1987年に定めたもので、土木の漢字を分解すると十一と十八になることと、土木学会の前身である「日本工学会」の創設が1879年11月18日であることに由来している。
「土木」という言葉は、中国の古語「築土構木」に由来する。土木が定着したのは明治時代初期で、江戸時代末期から使われていたようである。土と木を主な材料にしていた国造りが反映している。
土木技術は最も古い歴史をもつ技術といわれる。人類が登場して生活を営み始めるにあたって、竪穴住居を創るにしてもまず土地を掘削する必要があったし、川を渡るのに丸太の橋を架けた。これが土木の始まりと言える。土木は、社会資本(インフラストラクチャー)を創り、不断の維持管理・更新することで、時代を越えてその役割を果たし続けてきた。高度成長時代に作られた多くのインフラが、作られてから50年以上となり、老朽化が進行している。土木技術者は、道路、橋梁、河川護岸などを安心て使えるように、維持管理を続けている。工事ばかりして、渋滞の原因だと言われる方も多いが、利用者の安全・安心の確保には必要なものだと寛容な気持ちで見守ってもらいたい。「土木の日」に合わせたイベントが全国各地で催される。土木の魅力を味わってほしい。
NHK総合で「映像の世紀バタフライエフェクト 巨大工事 世界はどうつながってきたか」が放送されていた。離れた場所と場所とをつなげるという人類の夢。その夢を実現するために、巨大工事は世界の難所に挑んできた。パナマ運河、シベリア鉄道、英仏トンネルなど巨大工事のスペクタクル集であった。石原裕次郎主演の「黒部の太陽」の1シーンが使われていたり、実際の映像であったりと、見ているものを引き付ける迫力があった。これまでの多くの土木技術者、技能者の努力で、我々は離れた場所に移動することが容易となった。これらインフラストラクチャーを維持し、補完していくことがこれからの生活を快適に、安全・安心に続けていけるものと考えている。

寒暖差が大きな日が続くが、体調管理に注意して頂きたい。
 
2023年10月
10月となり、ようやく涼しさを感じるようになった。
先日、中秋の名月を堪能した。今年は満月でとても大きな月であった。「中秋の名月」は、旧暦の8月15日の夜に見える月のことを指す。中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に中国から伝わったと言われている。日本では中秋の名月は農業の行事と結びつき「芋名月」などと呼ばれることもある。今年の中秋の名月は満月であったが、中秋の名月と満月がずれることがしばしばで、例えば来年2024年は、中秋の名月が9月17日、満月が9月18日となる。これは、中秋の名月が太陰太陽暦の日付(新月からの日数)で決まるが、満月は太陽、地球、月の位置関係で決まるためである。月の公転軌道が楕円形であり、新月から満月までにかかる日数が13.9日から15.6日と大きく変化するためである。また、太陰太陽暦の9月13日の夜を「十三夜」と呼び、日本ではその夜にもお月見をする習慣がある。十三夜は、「後(のち)の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれている。今年の十三夜は10月27日なので、あらためた名月を楽しみたいものである。

この夏は記録的に暑い夏となり、9月以降も異例の残暑が続いている。気象庁から発表された1ヶ月予報によると、10月も平年に比べて気温の高い傾向が続く見込みで、9月までの顕著な残暑は落ち着くものの、秋の深まりはゆっくりとなりそうである。急な冷え込みがあった昨年の10月と比べると、冷え込みは弱い見込みである。この先10月以降も高温傾向で、昼間は暑く感じ、夏物アイテムが活躍する日もありそうである。

東南海・南海地震は過去概ね100~150年の間隔で発生しており、江戸時代(1605年)以降、約400年で4回発生している。過去の地震では、同時に発生したとされる1707年の宝永地震のほか、32時間の間隔をおいて発生した1854年の安政東海地震・安政南海地震、約2年間の間隔をおいて発生した1944年の昭和東南海地震・1946年の昭和南海地震がある。マグニチュード8クラスの巨大地震で、南海トラフ地震では広い範囲で震度6から7の強い揺れが、数分にわたって続く想定である。建物の倒壊によって亡くなる人が8万2000人と想定さている。
津波は、震源域に近い高知県の沿岸では最大34m、名古屋や大阪などで5mと想定されている。南海トラフ地震では震源域が近いため、地震発生から津波到達までの時間が短いことも特徴であり、地域によってはわずか2分で津波が押し寄せることも考えられる。津波による死者は最悪の場合、東日本大震災の10倍以上のおよそ32万人と推定されている。
東京でも最大震度5強の揺れに襲われ、高層ビルなどは長周期振動によって、東日本大震災の時以上に大きく揺れると予想されている。
南海トラフ地震に対応するため、国は「南海トラフ地震臨時情報」という新たな仕組みを2019年に立ち上げている。「南海トラフ地震臨時情報」とは、南海トラフ地震の想定震源域で大きな地震や異常な現象を観測したときに発表され、国民に注意或いは警戒してもらうための情報である。情報が出された場合は、1週間、地震発生に備えた生活をすることが呼び掛けられ、その間に家具の固定や避難場所、避難経路の確認などを行うことが大事である。
南海トラフ地震、首都直下型地震、富士山の噴火などいつ起こってもおかしくない状況である。
ひとり一人が、身の安全を確保できるようにしておいて欲しい。
 
2023年09月
9月となったが、猛暑が続いている。
9月1日は「防災の日」である。ちょうど100年前の9月1日に関東大震災が発生したことから「防災の日」が定められた。1923年(大正12年)午前11時58分に、相模湾北西部を震源とするマグニチュード7.9と推定される関東大震災が発生した。この地震により、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県で震度6を観測したほか、北海道道南から中国・四国地方にかけて広い範囲で震度5から震度1を観測し、10万棟を超える家屋が倒壊した。発生が昼食の時間と重なったことから、多くの火災が発生し、大規模な延焼火災に拡大した。全半壊・消失・埋没した家屋は総計37万棟にのぼり、死者・行方不明者は約10万5000人に及ぶなど甚大な被害をもたらした。
関東大震災は、相模トラフを震源とする海溝型地震で、数十年から数百年という短い周期で地震を繰り返す。海溝型地震は陸側のプレートと海側のプレートの境界である海溝やトラフ付近で発生する地震である。東南海・南海トラフ地震や東日本大震災が海溝型となる。対する活断層型地震は陸側のプレート内部での断層運動により発生する地震で、深さがおおむね30kmよりも浅い地殻の内部で発しする。活断層型地震は海溝型地震に比べると周期は長いが、震源が陸地で、浅いために被害が大きくなる。阪神淡路大震災や新潟中越地震、熊本地震が活断層型にあたる。全国に活断層は存在し、まだ認識されていない活断層も多くあるようである。内閣府の防災情報のページなどを参考に防災への備えを確認して欲しい。

6年前の「平成29年九州北部豪雨」で被災した、JR日田彦山線の添田駅と日田駅間約40kmをJR九州によるバス高速輸送システム「BRTひこぼしライン」が8月28日に運航を開始した。鉄道がBRTに転換されるのは九州で初めてで、鉄道時代の駅の3倍となる36の停留所が設けられ、利便性の向上が図られている。鉄道で約1時間の所要であったが、1時間30分掛かるようになっているが、運行本数を1.5倍に増やし、停留所を病院前に設け、鉄道以上に利便になっているものと思われる。東峰村は、桜や紅葉の季節の美しい景観や小石原焼きの民陶際など多彩な催しものもあり、是非とも訪れて、村の活性化に一役買ってもらいたい。ひこぼしラインは、日田彦山線沿線の地域の思いを乗せ、未来に向けて駆け抜けていく「日田“彦”山線の“星”」となるように願いが込められて命名されている。
今年の7月10日の大雨で専用道路も被災したが、JR九州の努力で復旧し、8月28日の開業に間に合わせている。JR九州には敬意を表します。7月10日の豪雨災害では、災害査定に向けての調査、測量、設計の鋭意努力しているところで、猛暑の中での現地作業を行っている。お盆を過ぎれば涼しくなるかな、9月になれば涼しくなるかなと期待しつつ現地作業を行っているが、なかなか涼しくならない。気象庁の9月半ばまでの予想気温を見ると、日本のすべてのエリアで気温は高いと予想されている。
9月以降の3カ月予報でも、地球温暖化やエルニーニョ現象の影響で世界的に大気全体の温度が高く、残暑が続くものと予想されている。まだまだ、熱中症への備えを怠るわけにはいかない。
また、台風の発生も多くなっており、日本へ上陸、接近する恐れもある。地震だけでなく、台風への備えも大事である。台風は、進路予想により備えることが可能な災害であることから、情報の入手をしっかりし、事前の準備を行って欲しい。

『自分の身は自分で守る』を基本に、防災への備えを確認していただきたい。
 
 
2023年08月
8月となり、北部九州も7月25日にようやく梅雨明けした。北海道を除く最後の梅雨明けとなった。
7月7日から10日にかけて福岡では記録的な大雨となった。福岡県南部を中心に洪水被害、浸水が発生した。10日未明から断続的に線状降水帯が発生し、大雨特別警報が発表された。線状降水帯が福岡市に掛かり、非常な激しい雨が夜半から未明にかけて降り続いた。市内の河川では、洪水危険水位を超え、道路が冠水するなどし、西鉄大牟田線、JR九州鹿児島本線などが始発から運休し、通勤、通学に大きな影響がでた。福岡県では、久留米市田主丸町の土石流により2名の方が亡くなったほか3名の方の死亡が確認されるなど大きな被害となった。
我々測量設計業界では、浸水調査や土木施設被害箇所調査など、被災翌日から現場に赴き、被害状況の調査を行っているが、全容把握にはもう少しかかりそうである。平成29年の「九州北部豪雨災害」に比べて、広範囲に被害が及んでいることが伺える。これは、線状降水帯が2本同時に福岡県の北部と南部に掛かったことで、福岡県および佐賀県、大分県で豪雨被害をもたらしたようである。「緊急安全確保」の緊急メールが鳴り響き、眠れなかった方が多かったと思われる。緊急安全確保が出された場合には、避難することが困難であり、危険な場合がある。自治体からの避難指示などを待たずに、自己判断で避難していただきたい。気象庁の『キキクル』や県の防災情報、テレビなどのニュースソースを十分に活用して、自身の周辺がどのような状況であるかを判断していただきたい。

梅雨明け前から猛暑が各地を襲っている。35℃以上の猛暑日が続き、40℃に迫る勢いである。「熱中症警戒アラート」が各地に発表されている。「熱中症警戒アラート」は、環境省と気象庁が、熱中症予防対策に資する効果的な情報発信として、令和3年4月下旬から運用開始した。「熱中症警戒アラート」は、滅中小の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとってもらうよう呼び掛ける情報である。熱中症リスクの極めて高い気象条件が予測された場合に、予防行動を促すための広く情報発信を行うため、発表には熱中症との相関が高い「暑さ指数」が用いられている。暑さ指数の値が33以上と予測された場合、気象庁の府県予報区等を単位として発表される。発表内容には、暑さ指数の予測値や予想最高気温の値だけでなく、具体的に取るべき熱中症予防行動も含まれることが特徴である。アラート発表時の熱中症予防行動の例として、 ・不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する。・高齢者、子ども、障害者等に対して周囲の方々から声掛けをする。・身の回りの暑さ指数(WBGT)を確認し、行動の目安にする。・身の回りの暑さ指数(WBGT)に応じて、エアコン等が設置されていない屋内外での運動は、原則中止または延期する。・のどが渇く前にこまめに水分補給するなど、普段以上の熱中症予防を実践する などが挙げられる。暑さ指数(WBGT)とは、1954年にアメリカで提案された指数で、単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されるが、その値は気温とは異なる。人体と外気の熱のやりとりに着目した指数で、①湿度、②日射・輻射などの熱環境、③気温の3つを取り入れた指数である。暑さ指数(WGBT)が28を超えると熱中症患者が著しく増加する厳重警戒となる。また、WGBTが31を超えると「危険」な状況となる。ただし、過剰な水分のみを摂取すると「低ナトリウム血症」の状態になり、水中毒となることがある。水だけでなく、塩分の摂取も重要となる。
夜になっても、最低気温が25℃を下回らない「熱帯夜」が続き、寝苦しい日々が続く。夏バテに気を付けながら、この夏を乗り切って欲しい。